2009年1月15日木曜日

精神のレバレッジ

 昨年は、米国の土地バブルが崩壊。私の恐れていた事態が現実となった。世上では、とくに経済評論家は、中国のバブルにばかり注意を喚起し、米国の方は等閑視していた。竹中平蔵氏にいたっては、昨年八月、米国の対応は早いから、もう大きな山はこえたといっていた。九月以降はみなさん御存知のとおり、米国発の世界同時多発不況となった。
 とにかく、米国の主導する市場原理主義は終わった。と同時に、米国の一極支配も終わりを告げたのだ。通貨が多極化するということは、国際社会が多極化するということであり、日本もこれまでのような米国一辺倒では国益を損なうと考えねばならぬ。オバマ新大統領にしても、自国のことで精一杯だろう。竹中氏のような米国万歳の学者には退場を願いたいものだ。
 しかし考えようによっては、この混乱は日本が国家として自立するいいチャンスではないか。それでこそ、日米関係も正常化され、真に対等なパートナーとなりうる。というのは、じつはY氏(兄)の叱咤激励からヒントを得た。不況にへこたれている私に、こんな時だからこそ、智慧もでるし行動力もわくし、社員一丸となれると教えてくださった。ピンチはチャンスだぜ、と。
 確かに、そうだ。うまくいっている時は、とりわけ私のような怠惰な男は何も考えない。状況が悪いからこそ、何とか切り抜けようと頭をつかう。私は私自身の真価を問われているのだ。正直な話、そうはいっても、自信はぜんぜんない。が、たとえ一敗地にまみれようとも、それが掛け値のない私なのだ。それはそれで、いい。私はただ、自分のなすべきことをやりぬけばよい。人生の美とはそういうところにあるのだろう。